過日８４歳のご婦人から
写真他 身の回り品を お預りさせて頂きました
他界された ５０数年来の伴侶であったご主人の
思い出のお品が そこにはありました
お預りした際 いくつかの それぞれの箱の上に
きれいな紙に毛筆で こんな言葉が書いてありました
私はその有り様を見て 感動しました
伺いましたところ 写真においては
「 たかが紙 小さな写真ですけど 思い出がつまっております
同じ写真を娘にひとつ 託しました
それは 父親の働いている姿と 宴会ではしゃいでる姿を
どうか いつまでも胸に刻んでいてほしい という思いから
そして もうひとつ同じ写真を
これから先も 自分でずっと 持ち続けていたいと思ったからです
でも この度 ３回忌の節目にあたり
これをもって 無に還そうと思いました 」
・・・と 穏やかにお話しをして下さいました
お顔には きっぱりとした清々しさが 漂っていました
私は 家族の絆っていいな 素晴らしいなと
感銘を受けました
慎んで お焚き上げ供養をさせて頂きます
ご婦人からアンケートが届いておりますので ご紹介いたします
以前にご依頼を頂きました方から お電話を頂きました
その方が住まわれる団地の１４階から 飛び降り自殺をされた方がいて
１階の屋根の部分に落下されたとのこと
そこを片づけてきれいにしてほしいというご依頼でした
早速伺うと 電話をくださった方と団地の自治会長
もうお一人方 たまたま洗濯物を干していて
落下の様子を見てしまわれたという居住者の方が待っていました
現場を見せて頂きますと 凄惨そのもの
このような特殊な案件は 通常即日対応するのですが
この日はスタッフ全員のスケジュールがいっぱい
そこで、翌日ではとお話しますと
落下を見ていた居住者の方が
このままでは落ち着かないから何とかしてほしいと懇願されました
私はその場で携帯電話を使って行政に問い合わせ
近隣の清掃業者２件を紹介していただき 問い合わせましたところ
部屋の片づけはするが 特殊案件の清掃はしていないとにべもなく断られてしまいました
そのいきさつを 一部始終ご覧になっていた方々は
本当に困ったご様子
そこで私はもう一度 スケジュール調整をし 承ることにしました
これで一件落着と思い 作業準備をしに戻ろうと思っていたところ
落下の様子を見てしまわれた居住者の方が
縁起が悪いので お寺さんに供養をしてもらってほしいと 新たに懇願されていました
依頼の電話をくださった方も自治会長も 再度の困り顔
見るに見かねて 私は長年の経験で得た 供養の経の巻でよろしければ
唱えさせて頂きます と申し出たところ
ぜひそうしてほしいとのこと
早速 地べたに向かって 読経を始めさせて頂きました
すると そこに居合わせた皆様も 地べたに向かって 手を合わせてくださいました
どのようなことがあって 自らの命を絶たれたのか
またその方がどのような道を歩まれていたのか
そこにおられた方は誰も知りません
でも 見知らぬ方々が こうしたご縁で手を合わせて供養される
故人様は 無事 天国への道を歩き始めたのではないでしょうか
ご遺品の整理・お焚き上げ供養の仕事をさせて頂いておりますと
本当に様々な現場・故人様・ご遺族様にお目にかかります
そこで感じる様々な「想い」に お応え出来るよう
日々努めさせて頂きたいとあらためて感じました
